EOS-1Nのトラブルとキヤノン社の対応

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 このEOS-1Nのトラブルとは、カメラ本体のROM内のソフトの不備(カメラ裏ブタとボデーとの接触不良が発生したときへの対処機能の不備)によるもので、手元にある2台のボデーでそれぞれ3回以上発生しています。故障というよりトラブルというのが適切でしょう。 パソコンが使用中に暴走したり、あるいはキーボードやマウスの操作を一切受け付けなくなるというのと同様なものです。

 パソコンより始末が悪いのは一度発生すると、ボデーをリセットしたり電池を抜いたりしても回復しないことが多く(2/3は回復しない)、撮影できなくなることです。それなのに、撮影から戻り修理に出そうとして会社や自宅でさわってみると回復しているという具合です。幾度かのこのトラブルの経験から、気圧の低いところ、気温の高いところ、気温の低いところなど山岳や厳しい環境になると発生の頻度が高まると推測していました。 

 EOS-1Nを使用し始めてまもなくの1995.11頃にも発生し、キヤノン森ノ宮カメラ技術センターに持ち込んだときは、接点に小さいゴミが挟まったときなどにも出やすいと説明を受け、交換用の中古の裏蓋を渡されたことがあります。そのとき対応した技術員とおぼしき担当者は、「保証期間中なので無償で提供するから、今度発生したときは裏蓋をこれと交換して見てほしい」といいながら、最初は新品の裏ブタ部品を提示しながら、気が変わったのかすぐ中古品を取り出してきたものでした。この中古品の裏ブタは手元にあります。

 2000.4にこの不備を修正してくれるようキヤノン森ノ宮カメラ技術センターに依頼したとき、同社は「ご依頼の修理完了」と修理報告伝票に記載し、正規の修理代金を受け取ったのですが、後日niftyPC通信のキヤノン社FORAMの公開電子会議室での同社とのやりとりから疑問を抱き、再度同センターに行き責任者に質問したところ、EOS-1Nはそのような ROM内ソフトの書き換え修理ができないタイプの ROMを使っているボデーであり、依頼した本来の修理はなされていないことを確認しました。

 このトラブルに関するキヤノン社からの「リコール」や「ROM内ソフトの書き換えサービス」(EOS-1Nに使われているROMの仕様上書き換えができないなら、修正したプログラムが入ったROMとの交換サービス)等の公式アナウンスは、同社のHPやniftyPC通信FORAMをウォッチしていた限りではありませんでしたから、少なくとも 1995.11からEOS-1Nの販売終了までの数年間、同社はこの自社の最高級カメラ、プロ用機材のトラブルについて、社内では周知のことであるはずなのに、ついに「知らんぷり」し通したと判断しています。まるで、最近ちまたを騒がせた某食品メーカーや自動車メーカーと同じようです。 というより、「知らんぷり」をし通した点ではこれらのメーカーより悪質と言わざるを得ません。

 このトラブルについては、1997.1以降他の複数名のユーザの方からも同社のnifty PC通信FORAMの電子会議室で報告されていました。

 ある時、なにかテストで再現できないものか と思い、考えたあげく簡単な実験をした結果、同様なトラブルを容易に再現できることがわかりました。
その方法は、
1.ボデーの電源を切り、
2.裏蓋を開け、
3.裏蓋取り付けヒンジのところにある、裏蓋とボデーを接続する7個の接点のうちの一つをごく薄い小さな紙などで絶縁し、
4.裏蓋を閉じ、
5.ボデーの電源を入れる。
 手元の2台のボデーとも、この1.〜5.を7個の接点一つずつに繰り返すと、ある接点(上から3番目〜7番目のどれかでした)を絶縁した場合、100%このトラブルが発生しました。

 このことから、このトラブルの原因はEOS-1Nのファームウェア(内蔵ソフト)の「裏蓋とボデーの接点で接触不良が発生した場合のリカバリ機能の不具合:バグ」と推測されます。簡単に再現可能ですから修正も簡単なはずですが、そうなると「キヤノン社は無償でEOS-1NのROMを交換する」必要が出てきますから、自社の利益第一のキヤノン社にはできない相談だったのでしょう。
 このトラブルが「簡単なテストで再現可能」なことは、キヤノン社のnifty PC通信FORAMの電子会議室で発言した覚えがあります。

   
キヤノン社 EOSボデーの改悪、レーザープリンタでの不正義

 天下のライカは言うまでもなく、ニコン、キヤノン、ミノルタ、ペンタックス、オリンパス、コンタックスなどなど、これらカメラメーカーの純正レンズ以外に、多くのレンズメーカー製レンズが製造・販売され、消費者・レンズメーカーのみならずカメラメーカーもその恩恵にあずかっているのはご高承のとおりです。そもそもキヤノンにしたって、元はライカコピーカメラとレンズの製造販売からスタートしたのであり、該社のカメラの基本規格は、デミなどのハーフカメラ、いくつかの16mmカメラ、ごく短命に終わったAPSカメラなどを除けば、未だライカ規格から大きく外れたことはないはずです。つまり該社のカメラ事業は今でも他社の規格や製品のおかげで成り立っていると言っても大きな間違いではないはずです。

 それなのに、このキヤノンは数年前のEOSボデーから、それ以前のEOSボデーでは使用可能であったシグマ社やトキナー社製のレンズを使えないように、一般消費者=一般ユーザーに公開することなく仕様を変更したのです。どのボデーからかは正確には把握しておりませんが、テスト用に購入したEOSKissW、EOS3はこの改悪ボデーに含まれていました。 これにより、既EOSユーザーでこの改悪された新EOSボデーを購入した消費者はそれまで使えていたレンズを買い換えるか、レンズメーカーに使えなくなったレンズを送付し、無償で場合によっては有償で改修してもらうことが必要になったのでした。改修期間経過後にこのことを知った消費者の中にはそれまでのレンズを使えなくなってしまった方もおられるでしょう。結局キヤノンのこのEOSボデー改悪により、消費者も無償改修したレンズメーカーも多大な損害を被ったはずで、かくいう筆者もその一人でした。 本来なら、ユーザーに利益を与えることで企業の利益を得るべきであるのに、このようにユーザーに不利益を与えることによって自社の利益を求めようとするキヤノン社の経営姿勢に強い憤りを覚えます。 またこんな企業のtopが経団連の会長だとは、経団連も落ちたものだと思います。

 キヤノンはレーザープリンタでもこれと似たようなことをやっていたようで、日経新聞紙上に次のように報道されました。筆者はこの後どんな展開になるか注意していたところ、この翌日の日経新聞には、EOSKissデジタルの全面広告が掲載されました。穿った見方をすれば、自社に不都合な後続の記事を、金で買ったようにも思えます。